むかしむかし、あるところに、小さなかわいい女の子がいました。
(小さい時はみんな可愛いもんや)
女の子は、おばあさんが作ってくれた赤いずきんを、いつもかぶっていたので、みんなから「赤ずきんちゃん」と呼ばれていました。
(そのままやんけ)
ある日、赤ずきんは、お母さんに「おばあさんが病気だから、このケーキとぶどう酒を、森の中の家までもって行ってね。」と、頼まれました。
(病人に酒かい)
「外は危ないから気をつけて。知らない横道へ入って寄り道をしてはいけませんよ」と、お母さんは赤ずきんちゃんに、言いました。
(はじめてのおつかいか)
「大丈夫よ」とにっこり笑って、赤ずきんちゃんはおばあさんの家に向かいました。
(ほんまかいな)
赤ずきんちゃんが森に入ると、オオカミが出てきました。狼はニコニコして赤ずきんに話しかけます。
(狼が笑顔って、もう怖いやん)
「これからどこへ行くの?」
「あのね。おばあさんのお家よ。おばあさんがご病気だから、お見舞いに行くの」
「そうか。それは偉いねえ」
「それでおばあさんのお家はどこにあるんだい?」
赤ずきんは、オオカミに聞かれるまま、全部答えました。
(なんで全部言うねんアホやわ〜)
そうだわ。おばあさんに花束をこしらえて、持って行ってあげましょう。
(間違っても菊は持って行くなよ)
赤ずきんは色々な花を探すため、
森の奥に入って行きました。
(ほら、寄り道したやん)
その間に、オオカミはおばあさんの家へ急いで行き、「わたし、赤ずきんよ」といって家に入ると、パックリとひと口におばあさんを飲み込んでしまったのです。
(このおばあさん、オレオレ詐欺1発で引っかかるタイプやな )
それから、オオカミはおばあさんの着物や、ずきんを身につけて、おばあさんの振りをし、ベッドにすべりこみました。
(フリできてへんて)
赤ずきんちゃんは、花束を持って、おばあさんの家へ行きました。
ベッドに横になっていたおばあさんは、ずきんをすっぽり目までさげていて、なんだかいつもと、ようすが違います。
(全然ちゃうやろ)
「あら、おばあさんの耳はずいぶん大きいのね」
「お前の声がよくきこえるようにさ」
「あら、おばあさんのおめめ、なんて大きなおめめなの」
「お前がよく見えるるようにさ」
「あら、大きな手、おばあさんの手はこんなに大きかったかしら」
「お前がよくつかめるようにさ」
「おお、おばあさんのお口、なんて大きなお口なの」
「それは、お前を食べるためにさ!」
そういうと、オオカミはいきなりベッドからとびだして、赤ずきんをひと口に飲み込んでしまいました。
(オオカミよ、おばあさんのフリ意味あんのか)
おなかがいっぱいになったオオカミは、寝てしまい、大いびきをかきだしました。
(食っちゃ寝は気持ちいいやろ)
そのとき、猟師が通りかかり、
オオカミの大きなお腹を見て、おばあさんを丸のみしているかもしれないと思い、
ハサミで眠っているオオカミのお腹を、ジョキジョキ切り始めたのです。
(えっ?ハサミで?ぬいぐるみか)
すると、そこからまずかわいい女の子が、それからおばあさんが出てきました。
(いや、オオカミ起きるやろ)
それから、赤ずきんちゃんは、大きな石を運んでオオカミのお腹の中に、いっぱいつめ込みました。
(いや、切られてる時点でオオカミ瀕死やで)
やがて目を覚ましたオオカミは、
(おそっ)
「ああ、お腹が重い」と川の水を飲みに行きました。水を飲もうとしたとたん、お腹の石の重さにバランスを崩して、オオカミはそのまま川にドボンと落ちてしまったのでした。
(腹裂いて石つめるて、手口が極悪非道)
悪いオオカミがいなくなって、赤ずきんは、ああ、怖かった、もう2度と、森の中で寄り道したりしないと心に決めたのでした。
(いや寄り道よりも、見知らぬ相手を怪しめ)
先日、見知らぬ人からメールが来た
本文がこれ、
いや、誰やねん!
先ず名乗れ!
なんで、いきなり食事誘う、
しかも、早朝のメール、
先ず おはようございますや、
怪しすぎるやろ〜
返信してみたろかな
「あなたは誰ですか?おばあさん?それともオオカミ?」
~完~
読者の皆様1週間お疲れ様でした。
今週も読んで頂いてスター、ブクマ、もありがとうございました。