積み込み先のリフトマンあすかちゃん。
背がちっちゃくて、かわいくて、物腰も柔らかい感じの良い娘で運転手のマドンナ的な存在である。
彼女は30歳で僕より20も年下だ。
もちろん僕は恋愛対象ではないし、
向こうもそうだろう。
そんなあすかちゃんと僕は
好みが全く違っていた…
サービスエリアのコンビニに売っていたドライフルーツ。前に食べた時、美味しかったので、あすかちゃんにも買っていってあげた。
たしかイチゴのドライフルーツだった。
別日に、今度はマンゴーのドライフルーツを買っていってあげた。
あすかちゃんに
「あれ、美味しかった?いちごのやつ」
って聞いたら、
「あれ、食べて無いです」
「えっ」
「わたし、あ〜いうの苦手で」
「えっ、じゃあどうしたん?」
「あれ、お母さんが喜んで食べてます」
「そ、そ、そうなんや〜 」
「じゃあこれ、お母さんにあげて」
「わぁ、ありがとうございます」
マンゴーのドライフルーツをあげた。
あすかちゃん、先言うといて〜〜!笑
僕の心がドライフルーツのように乾いた。笑
休憩時間に、よく本を読んでるあすかちゃんに
小説を貸してあげたことがある。
2ヶ月くらいして、返してくれた時に
揚げせんべいをお礼にくれた。
「そんなんええのに〜ありがとう」
家に帰って、返してくれた小説をめくったら
ページの間に揚げせんべいの粉が挟まっていた。
あ〜多分読みながら食べたんやろなぁと。
しかし、きっちり油のシミも残ってた。笑
あすかちゃんに貸してあげた小説は
『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』
だった。
この作品がなんと映画化になったのだ‼️
主人公の女子高生が戦時中にタイムスリップして、その世界で出会って恋をした男性が神風特攻隊を命じられるという。悲しい恋話である。
また別日、あすかちゃんが休憩時間に本を読んでいたので、「何読んでるの?」って聞いたら、
まさかの
『新潟少女監禁事件』だった。
「えっ、えらいヘビーなもん読んでるなぁ」
というと、
「わたし、こういうのが好きなんですよ」と。
「へぇー」
あすかちゃん。先言うといて〜〜!笑
あんな悲しい恋話の小説、そんな興味なかったんや!そら揚げせんべいの粉、挟んで返すわな。笑
そんなあすかちゃんは
現在、部署移動で会えなくなりました。笑
さぁ明日も安全確認で頑張ろっと。