前回の続き。
妖怪ハシゴ外しの2人のせいで、1人辞めることになったZ氏。
僕はZ氏と公私共に仲良くしてきた。バンドを組んだこともあった。ラジコンで遊んだこともあった。
友人としての関係は、会社を辞めても続くだろうが。
Z氏が会社にいないのは正直寂しい。
Z氏に電話した。
「ほんまにやめるん?」
「やめますね」
「社長職を辞めるだけでドライバーやったらいいやん」
「Nさんに言われました。社長を辞めてドライバーっていうことは、ないからなと」
「そうなんやぁ」
「そこで、わかってます、と返事したんで」
「そっかぁ、」
「はい、、」
「でもZ氏、肩の荷が降りてちょっと楽になったんちゃう?声でわかるよ」
「こんなこと言ったらあかんのでしょうけど、正直楽になりました。」
Z氏は相当苦しんで、いっぱいいっぱいだったんだな、と思った。
そして翌日、同僚のGさんと一緒に帰社した時。
元社長Nさんから話があると言われた。
話の内容は
Z氏が社長職をギブアップすることと、9月で辞めてもらうことだった。
Gさんも僕も知っていたが、初めて聞いたふりをした。
Nさんは続ける
「僕は会社を解散する気はない、新しい体制を考えてきた」
さすが経営者というのは、どんな時でも前を向いていると思った。
その内容は、代表を
事務員の女性に任命するということだった。
この事務員は事務職もしているが、配車も担当していて、一般的な事務員とは違う。
そして、Gさんと僕は、会社の幹部として代表を支えてやってほしいと言われた。
Z氏が居なくなる中で、僕もGさんも、複雑な気持ちだった。
Nさんは続けて話す
「あと、新事業のプランを二つぐらい考えてるんやけど、そこのリーダーにZ氏にやってもらいたいなと思ってる」
「えっ、それって、Z氏が辞めるってのは、無しってことですか?」
「そうや、こんなコロナ禍で転職しても、大変やろ、だから社長職は無理でも、この新事業で頑張ってくれたらいいかなと」
僕は正直、うるっと涙がこぼれそうになりながら言った。
「Nさん優しいですね」
「今日の朝、考え直したんや」
僕もGさんも、その案は大賛成です!
「そんなことで、これからも頑張っていきましょう!」
「はい!!」
僕は会社を出てすぐにZ氏に電話してこの話をした。
Z氏
「えぇぇ、なんやそれ」
当然である。やめろまで言われて気持ちも切り替えていたはず。
「とりあえず今は、なんやそれ、だけしか思えないですが、 ちょっと考えます」
「俺は大賛成って言っといたよ、Z氏がやるなら、協力するから」
「はい、わかりました。」
「ていうか、じじい(Nさん) 究極のキレキュン野郎やなー笑」
「アハハハ」
*キレキュン
【キレた後にハートを掴む一言を言う】
そんなことで
僕が勤める弱小運送会社は、これからも前向きに頑張るのであった。
因みに、
手のひらを返しZ氏を裏切りった
妖怪ハシゴ外しの2人は(T氏 M氏)
幹部からドライバーに、格下げになりました、笑
追記
いつも読んで頂いてありがとうございます。今回は、おもろいエピソードじゃなくてすみません。