「おはよう」
「あ、おはようございます…」
「えっ、ちょ、顔めっちゃ死んでるやん」
「あ、はい、僕、鬱なんですよ」
積み込み先で会った同僚Y君の表情は、悪霊にでも取り憑かれてるような表情だった。
アーメン?オーメン?冷ソーメン?
あ、エクソシスト!
んなことはどーでもよしこちゃん。
Y君は、今月の低給料と仕事が暇な状況と未来を絶望して鬱になっているようだ。
しかしだ、本気でやばい鬱になっていたら、自分の事を「鬱です」とは言わないだろう。なのでY君は、たしかに落ち込んではいるが、まだ末期ではない。
今日はランチを一緒に食べる時間があるのでY君に聞いてみる。
「お昼、マクドでも行く?」
「あ、はい、行きましょー」
「鬱なY君に奢らしていただきますわ」
「いやいや大丈夫です」
「んじゃ、俺に奢って」
「はい、奢ります」
「うそうそ笑」
ていうか、今週、僕の方がY君より仕事が無いんですよー!僕の方が鬱になってもおかしくないっちゅうねん!
なのにニコニコしてる僕って…
ただのアホ。笑
「さぁ、何食べる?」
「僕、ゴジラバーガーいきます」
「おぉ!いっときいっとき〜」
僕はエグチのセット。
Y君はゴジラバーガーのセットにしました。
ゴジラバーガーは三種類あってY君は、その中でも1番鬼カロリーの『チーズダブルてりやき』
にしました。
さらにナゲット5ピースを2つ注文。
「さぁ食べよ」
「いただぎまぁす」
Y君がゴジラバーガーをかぶりつきます。
「どう?美味しい?」
「………」
「ん?」
「……なんかね、ケンタッキーみたいな感じです」
「ん?ケンタッキー?鶏?」
「はい」
「えっ、ちょっと待って、それてりやきか?」
「あれ、違います」
女性クルーが歩いていたので声をかける
「すみません」
「はい」
「これ、ゴジラバーガーのてりやきを注文したんですけど…違うみたいです」
「あ、はい、すみません、これ違いますね。直ぐにお取替え致します」
「もう一口食べてますけど大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。お取替え致します」
Y君の注文したゴジラバーガー『チーズダブルてりやき』は包装紙は間違いなくチーズダブルてりやきだが、中身がもう一種類の『スモーキーペッパーチキン』だったのだ!
そんなことある?笑
さすが色んなトラブルに巻き込まれる星に生まれたY君らしいわ。笑
「取り替えてもらえるならさ、もっと食べといたら良かったな」とY君に言うと、
「はい、半分くらい食べてから言ったらよかったです」なんて言ってたが、
そもそも、一口かじった時に気づくやろ!
いや、見た目で気づくやろ!笑
(僕も気づいてないがw)
なんやねん
「ケンタッキーみたいな味する」って笑
鬱になると味覚もバカになるのか。
その後、
ゴジラバーガー『チーズダブルてりやき』を堪能したY君は、朝会った時とは別人のように明るい表情になっていました。
鬱モードは解除されたようです。
良かった良かった。
さぁ明日も安全運転で頑張ろっと。